敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【香草】VOL.1


●香草と香草の花

 中国料理には無くてはならない薬味用ハーブ野菜「香菜」があります。香草はセリ科コエンドロ属の一年草で、中国料理ではシャンツァイ、タイ料理ではパクチー、インド料理ではコリアンダーと呼ばれていますが、葉から根っこまで全草余すところなく食べられることから、多くの料理に使われています。
 日本料理の薬味にネギが多用されるように、多くの料理に香り付けのハーブとしてこの香菜が使われているのですが、ヨーロッパでは「白コショウ」のような粒状にして、スパイスとして利用するようです。
 日本では、ハーブは薬事法で医薬品分類されるものと、そうでないものは食品区分され市販されますが、向精神薬作用のあるハーブもあり、法律によって管理・規制されるため、栽培や販売するには注意が必要です。
 香菜には独特の風味があるため、好き嫌いが極端に分かれるのが非常に面白いところです。筆者の主観では、基本的に日本人はあまり好きではない食材だと思います。
 しかし、中国人は香菜が大好きで、いろいろな料理に大量に使われています。たとえばスープ、麺類、お粥、鍋料理などの風味付けが代表的だと思われます。東北地方の「老虎菜」というキュウリや青唐辛子とともにサラダ風にして生食する郷土料理もあります。ところが、香草の豊かな栄養や効用についてはあまり語られていません。香菜にはビタミンA効力、ビタビンB1、B2、C、鉄分が豊富に含まれ、かぜや肌荒れ、便秘、虚弱、疲労などに多大な効果があるばかりか、消化を助け、食中毒や二日酔いの予防にもなるので、日常の食事に香草はなくてはならない食材といえます。