【五色収入】VOL.2
●お金ってたくさんある所に集まるんですよねぇ。
「血色」は人間の尊厳・倫理を越え、他人の生命をも犠牲にしてまで得る、鉱山 売血などによる収入を意味します。奴隷のような労働条件で働かせる山西省の無認可レンガ工場がその典型です。「金色」は、株券 証券 不動産など、資本投資などによって得た収入を意味します。
昨年8月の 「南方週末」に掲載された「比統計数字更大比GDP増速更快灰色収入這三年」によると、統計よりも大きく、経済成長率より早い「灰色収入」について報告されていました。それによると、正当な収入以外の収入は、経済成長率を上回るペースの23兆元(約299兆円)という巨大規模になっていて、しかもそれらは高所得者層に集中しているため、公的統計以上に格差は大きく、今では世界最悪水準にまで落ち込んだとまとめています。
所得格差のレベルを示すジニ係数が、警戒ラインの0.4を超えて0.47(世界銀行統計)にまでなっている現状では、貧富の格差が危険ラインに迫りつつあるようです。
また、政府統計によると、国有独占企業である「電力・通信・金融・保険・たばこ企業」の給与は、その他の業界に比べて倍以上で、これに住宅手当や福利厚生費などを含めると5〜10倍になるそうです。
さらに、厚遇されない勤労者を含めた社会的平均を算出すると、高級経営者陣と末端労働者との所得格差は128倍に達するというデータも発表されています。
国民の経済格差は、教育機会、医療保障、さらには平均寿命にまで影響が出ますから、各地で頻繁に起こっているデモや群衆事件に繋がっています。中国は今年からの5カ年計画で経済の質重視を掲げていて、今後、根本的解決に向けた都市政策も大きな課題となってくるでしょう。
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