敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【夏】 VOL.1

  この原稿を発表する頃にはもうすっかり残暑になっていることでしょう。外回りのお仕事をしていらっしゃる方にとっては、まだまだ辛い季節だと言えるでしょうね。じっとしていても汗の出る時期、好んで外出する方は少ないでしょうが、夕方になり幾分過しやすくなると外出したくなるものです。
  中国でも夜になると「どっ!」と人が繰り出してきます。公園に、道端に、歩道橋に、あちらこちらにビックリするくらい人が増えます。彼らはべつだん何をするわけでもなく、座り込んで会話を楽しんでいるだけです。


●西安南門近くでの屋台にて。日本でいうと“流し”かな?

  都会部ではどんどん屋台が撤去されているため見られなくなりましたが、少し前まででしたら将棋やトランプ、屋台で一杯といった姿も見受けられました。要するに寝る直前まで外で涼をとっているわけです。
 中国では 未だに空調設備が整っていない家庭が多いため、そのまま朝まで寝てしまう方も多いようです 。
 さて、中国では本格的な夏の到来を知らせるのは、街角のあちらこちらに並べられる行商たちのスイカだそうです。日本でも何気なく食されているように思えるスイカ、実はこのスイカに限らず中国における様々な料理は、その日の天候や体調などにあわせて用意されていることは以外に知られていないようです。 中国4000年の歴史には人々の生活に対する多くの知恵や英知が受け継がれているのです。
 中医、すなわち漢方医学の伝統的な教えでは、食材と言えば「熱」「温」「平」「冷」「寒」の5つに分類されています。漢方につきましてはまたの機会に譲ることとして、次号では中国における夏の過ごし方についてお話したいと思います。