敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【大丈夫】VOL.1


●兵馬俑(左)と勧進帳を読む弁慶自画像(鰐淵寺蔵)

 日本語で「大丈夫」と言われると、「このビルは地震があっても大丈夫だ」とか、「体調がよくなったので、もう大丈夫」と用いるのは普通だと思います。しかし、日本語の「大丈夫」は中国語になると、「これぞ男」か「男の中の男」という意味になり、使用方法は全く意味が違ってきます。勘違いしそうですが、日本語の「大丈夫」は、中国語では「没問題」、「没関係」、「不要緊」です。
 ですから、前者は「這所房子即使有地震、也没関係」、後者は「已経退了焼、不要緊了」と表現するのが標準的です。「大丈夫」と同じ意味の「好漢」を使ったのは毛沢東で、その有名な表現に「不到長城、非好漢(長城に登らざれば、好漢にあらず)」と言葉があります。
 この言葉を信じて、筆者は通称・男坂と呼ばれる万里の長城の急坂を、残暑厳しい9月上旬に、大汗を流しながら死に物狂いで登頂しました。
 話は脱線しますが、中国語の「大丈夫」は、日本語では大きくて頼もしく、人格に優れた男を意味する「偉丈夫(いじょうふ)」になると思います。女性の場合は「女丈夫」ですが、こちらは気性が強くしっかりしている女性、一昔前の「肝っ玉母さん」、または「女傑」を意味します。
 中国人なら清末期の咸豊帝妃の権力者・慈禧太后(西太后)、もしくは中国四大奇書の一つ『水滸伝』の梁山泊第百三位の好漢で、地壮星の生まれ変わりとして登場する女頭領・孫二娘を想像するでしょう。
 日本人だったら、偉丈夫は平安時代末期に義経の忠実な家来として活躍した僧衆・武蔵坊弁慶が思い浮かびます。女丈夫の場合は…、誰ですか、家のかみさんと言われた方は!!