敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【禁止喫煙】VOL.2


● 北京空港内にある喫煙所

 当時は、自動車のナンバー規制や購入時の抽選制、五輪専用道路を設けて交通量を制御、工場の操業停止によって束の間の青空を作り出しましたが、姑息な付け焼刃は却って反動を呼び込んだのではないかと非難する専門家もいます。しかし、この10年間で北京市の肺がん発病率は56.35パーセント増加し、ガン患者5人に1人は肺がんだそうです。
 さて、昨年1月に発表された喫煙に関する評価報告によると、中国の喫煙者数は3億5,600万人に達しています。国際的な健康ブームという潮流に反し、依然として禁煙が進まない「喫煙大国」で、自己主張が強く、自己中心でルールを守らない国民性で知られる中国において、空港側の禁煙措置が守られるはずもありません。
 実際、中国では毎年100万人以上が喫煙が原因とみられる疾病により死亡しているそうです。専門家によると、2030年には中国で喫煙が原因で死亡する人の数は現在の3倍の300万人以上になる可能性があると警告します。
 他の乗客を副流煙による受動喫煙から守ることと、喫煙者のストレスを考慮すること、そのどちらに観点をおくかで施設側の対応は変わりそうな気もしますが、禁煙、禁煙解除のドタバタ劇は、民意を軽視する共産党政権そのものの事象であり、一般市民の不満を増大させていると思われます。