【空中城市】VOL.1
● 即席ビル建設模様
昨年、オリンピックで盛り上がったイギリスの首都ロンドンにあるウェストミンスター宮殿(英国国会議事堂)に付属する時計塔「ビッグ・ベン」は、観光名所として知られていますが、そのビッグ・ベンが、昨年、エリザベス女王の在位六〇年を讃え、またその功績にちなんで「エリザベス・タワー」と改称されることになっています。
高層ビルと言えば、ご存知の方も多いかと思いますが、世界一高い超高層ビル「現代のピラミッド」とも称される、アラブ首長国連邦ドバイにあるブルジュ・ハリファで、高さ828メートル、ここにオフィスや高級マンションが入っています。このビルよりさらに高いビルを建設計画しているのが、中国の建設大手・遠大集団で、建設費40億元(約520億円)を掛け、湖南省長沙に地上高838メートル、220階建ての世界最高層ビル「空中城市」を建設すると話題になっています。完成すれば高さとしてはブルジュ・ハリーファを上回る世界一のタワーになりますが、驚くべきは建設工期で、1012年末までに完成するとしていましたから、何とわずか7カ月で完成予定だったのです。しかし、政府の承認が遅れているため2013年4月に変更となりましたが、現在のところ、まだ完成していないようです。
中国紙「東方早報」が伝えるところによると、遠大集団は、短期間工法の「実績」があるそうです。具体的には、過去に9日間で四階建てビルを、15日間で30階建てホテルを完成させているそうです。建設の模様はインターネットの動画で500万回以上のアクセスがあるそうで、まんざら大ボラではありません。建設現場で行う工事の九割を工場で行なう「モジュール工法」という手法で、計画から製作に至る一連作業を飛躍的に短縮し、工場生産による品質向上と均一化、空間有効利用による省スペース化を実現しています。
次号では、遠大集団の凄さを改めて検証してみたいと思います。
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