敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【月の砂漠】VOL.1


● 鳴沙山と月牙泉-1

 中国東北部三江平原に位置する、黒竜江と松花江の合流地帯には、黒龍江省綏濱県があります。綏濱県は1,400万元の投資を旅行接待に使い、豊富な資源や自然環境を生かした旅行品質などを高める努力をしていますが、それでも黒龍江省内が指定する14県の国家級貧困県の一つに該当しています。
 この地では漢族の他には、満、回、モンゴル、チベット、ウェイグルなど17もの少数民族が集まっています。満野生魚釣り、水田養魚、観光、娯楽などを生かすべく、1億2,000万元を投資し、欧米式建築の忠仁新区旅行の町は観光客に農家の楽しみを展示しています。敦煌が誇る山と泉で名高い名勝地と言えば、山は「鳴沙山」、泉は「月牙泉」です。
 中国三大砂漠の一つ・鳴沙山は、市街から南方5キロの地にあり、以前は神沙山と呼ばれていました。風が吹くと砂が管弦や太鼓のように音を立てるのでそう呼ばれるようになりました。鳴沙山は東西に約40キロ、南北に約20キロに亘る敦煌砂漠のなかの砂礫が堆積した砂山で、山腹には風雨によって自然創造された美しい水波状砂紋や美しい陰影が出来ていて、観る者に感動を与えています。見学できる範囲は限られているようですが、やはり砂漠ですから、油断すると遭難する可能性もあるそうです。
 その鳴沙山の麓には四A級景勝地に指定されている「月牙湖」は、別名「薬泉」とも呼ばれる東西200メートル、南北50メートルの三日月形オアシスがあります。4000年前には人類の存在が確認されており、その後、126箇所の遺跡が発見されています。
 次号では今から2000年前からオアシスである「月の砂漠」と、貧困地域活性化に支援する日本の状況についてお話ししたいと思います。