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【月の砂漠】VOL.2
● 鳴沙山と月牙泉-2
約2,000年前の月牙湖は、現在の約5倍の大きさだったようですが、絶えることなく沸き続ける透明な水質を誇り、水草が繁り、魚が生息するなど、敦煌砂漠の中にあって実に不思議な存在であると言えます。
また、月牙泉の砂丘すべりは厄除けとして知られているのですが、歩きにくい砂漠に加えてかなり距離がある砂丘すべりになるため、バギーを使ったり、ラクダの隊列を経験するのもいいかもしれません。
古来より中国では、仙人が住む場所「仙境」には寺院が建てられてきましたが、月牙湖の対岸にも15世紀頃、まさにその雰囲気を持った立派なゲルク派大寺院「色拉寺(セラ寺)が創建されました。最盛期には5,000人以上がチベット仏教を習得するために修行していたそうで、かつては、日本から多田等観や河口慧海)も環境の厳しいこの地で学んだそうです。
敦煌砂漠地帯は昼夜の寒暖差が激しく、日中は焼けた砂が熱くて素足では登れませんが、夕日を浴びて中金色に輝く時間帯の風景は幻想的で、その中を観光用ラクダが列を成して進む様子は「月の砂漠」そのものです。
我が国は黒龍江省における道路建設事業を始め、水環境整備事業や公衆衛生基礎施設整備事業などに、円借款で284億円近くのODAを、さらに1990年から開始された中国に対する「草の根無償」として、これまでに貧困地域への初等教育、医療保健、民生環境などを中心に中国全体で総額約7億6,000万人民元(約97億円)の無償資金協力プロジェクトが実施されており、一日も早い貧困問題解決に繋がればと思います。
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