【人山人海(人だらけ)】VOL.2
●魯迅故居周辺もご覧の通りです。
今年の二回目のゴールデンウィークは国慶節と中秋節が重なり、「双節」と名付けられました。次の「双節」は38年後になりますから、非常に珍しい現象であるコトも手伝って、今年の国内旅行者の数が増大したとの見解も出ています。しかし、これは中国社会の発展が新たな局面を迎えているとも考えられます。中流階級が旅行などの消費活動をし始めたものの、実際の消費活動は抑えたいとのギャップがあるからです。
日本では国内各地の観光スポットに直接たどり着くための陸路、鉄道、水路など交通システムや公共交通機関の正確な時間が整備されていますが、中国では未だ駐車場が少なく、タクシーが拾えない状況が解决されていません。
レジャーの多様化に対して観光インフラが追いつかない状況に加え、マナー問題までもが浮き彫りになっている現在、このような事態から、専門家は「大型連休を廃止して有給休暇を取得するように奨励するべきだ」と指摘しています。これは自由経済における中国の民主化にとって、大切な第一歩と思えます。
2008 年1 月に「従業員有給休暇条例」が実施されましたが、実体から考えてみると、民間企業の従業員、出稼ぎ農民工、パート・アルバイトからすれば、「大型連休の廃止=休日の消滅」を意味するからです。現代中国では有給休暇などは「幻」か「伝説」であり、一般的なサラリーマンで有給休暇を取得できるのは、全体の僅か30パーセントという統計があるほどです。
大型連休か有給休暇取得か、どちらがいいのかは、賃金格差、労働者の権利保障問題など、多くの要因とも密接な関わりが内包する問題ですが、一足飛びに改善されないと放置は出来ない状況であると言えるでしょう。
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