敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【寒假と作業】VOL.1


●これぞエリート養成学校

 11月になり、学生さんは短い冬休みが来月に近づき、いろいろと計画を立てている頃かと思います。中国語では冬休みは旧暦の春節の頃にある20日ぐらいの「寒假(冬休み)」、夏休みは最も暑い7月と8月ごろにある40日くらいの「暑假(夏休み)」と言いますが、日本のような春休みはありません。中国では新学年は9月1日から始まっています。
 日本の小学生は長期休みとなれば、旅行、ラジオ体操、遊びと、楽しみが一杯ですが、中国の小学生の場合、子供はもちろんですが、親も実は大変な状況となります。親を憂鬱にする、その理由は「大半は保護者の手を借りなければならない膨大な量の作業(宿題)」が待ち受けているからです。

 1.英語の教科書を毎日読み、会話は保護者に相手をし  てもらう

 2.科学、道徳の教科書を暗記し、保護者のサインをもら  う

 3.新しい漢字の練習

 4.数学オリンピックの過去問題を解く

 さらに、このうえに中学校の教科書の予習まで科せられますから、遊びの計画など論外と言えるでしょう。これほどまでに親がかりで宿題を課す理由は、小学生のうちは「保護者の意識が子どもの成績に直結する」と考えているからで、その背景には厳しい受験戦争があります。 中国では小学校高学年の宿題量は「一時間程度で終わる量」という基準が設けられているのですが、学力競争が激しいエリート養成学校と呼ばれる重点学校では、この規則を無視して毎日多くの宿題を児童に科しており、そのためかなりのストレスを抱える子供が増えているそうです。
 次号では、受験戦争の真っただ中にある小学生におきた悲劇を紹介します。