敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【寒假と作業】VOL.2


●これほどの怪我を負わせる教師って…。

 さて、昔と違って、多くの先進国では、先生が生徒に体罰を与えることはなくなりました。しかし、中国では。小学校5年生(10歳)の生徒が宿題をしてこなかったことに憤慨した女性教師が、その児童の頬をつねって吊り上げ、頬が引きちぎれてしまうというショッキングなニュースがありました。しかもその女性教師は、大量出血した児童の千切れた頬皮を児童の顔に戻して、すぐに帰宅するように言いつけただけで、応急処置も採らなかったそうです。
 驚いた児童の両親はすぐに病院に連れて行きましたが、52針を縫う大怪我となりました。生徒の父親は警察に通報し、賠償金請求をするつもりだと伝えています。このあまりにひどい仕打ちは欧米でも大きくニュースとして報じられ、海外サイトのコメントもにぎわっていました。自らを守る術を持たない子供への虐待は、心から許せない気持ちになります。
 厳しい受験戦争さらに悲しい事件に発展しました。新学年が始まる九月になると、北京、上海、天津、広東、湖北、そして四川など、連日にわたって小中学生の自殺事件が頻発しました。主な理由は「夏休みの宿題が終わらなかった」や、「学校が始まるなり、教師が権威を示してきた」という理由、また、叱責されることに精神的に耐えきれなかったことが主な原因と言われています。
 これに目をつけた新たなビジネスが社会問題になっています。中国メディアによると、大学生が小遣い目的に「宿題代行業」を開業し、インターネット上で受け付けるビジネスが繁盛しているそうです。
 多くはページ単位で料金提示されていて、相場としては1ページ2元(約25円)、作文は1篇10元(約一125円)、一冊まとめての場合は50元(約625円)だそうです。数冊まとめれば値引きもあるとボリュームディスカウントをアピールする業者までいて、その稼ぎは5,000〜6,000元(約6万〜7万円)を荒稼ぎする"つわもの学生"もいるそうです。
 依頼主は小中学生で、親に内緒で自分の貯金から代行依頼するようで、「特急仕上げ」などサービス内容によって料金も様々だそうです。
 急激な経済発展とともに蔓延する拝金主義は、九〇后の大学生から子供たちにまで広がりつつあり、国内の法学者や人口学者など専門家による「人口・計画出産法」の全面改正を求める建議書を国会に提出するなど、昨今の社会情勢を懸念する動きが活発になっています。