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【圧歳銭(お年玉)】VOL.2
●紅包と北京三里屯店
一番人気はiPhone4sとiPad3、そしてMacBookの「アップル三点セット」だそうで、購入すれば20,000元(約25万円)軽く超える高額商品で、小皇帝や小女帝への小遣いや贈り物が年々高価なものとなり、親泣かせな状況になっているのは日本人の想像をはるかに超えるようです。
生活が苦しく、義務教育すらまともに受けられない子供もいるなか、エリート学校に通わせてもらう富裕層の子供たちにとって、アップル三点セットを持っているのは常識で、逆に持っていないと欺負(いじめ)の対象になるそうです。
そのためなのか、筆者の友達の中国人は、新暦のお正月は日本に居ても暇なので里帰りし、旧暦のお正月は"集(たか)られる"ので日本で過ごすようにしていると言っています。大人にとってはあまり好ましくない行事になりつつある春節なんですかねぇ。
それにしても、このような状況にある昨今の中国では、家や車のローンで苦しい家計なのにお年玉が高騰してしまい、結局のところは親戚・友人同士でプラスマイナスゼロの「お年玉交換会」になってしまっているようです。統計によると、「無意味」という回答と、「義理人情は廃止できない」と回答する人が三分の一を超えているそうです。
計画出産(一人っ子政策)のしわ寄せは、国民生活に深刻な事態を引き起こしているとも言え、規制緩和を求める声は年々高まっています。実際、中国国内の法学者や人口学者など専門家たちが、国会に連名の建議書を提出し、国民の出産・育児の権利に対する「人口・計画出産法」の規制撤廃や全面改正を求めています。
拝金主義や堕落した風潮は、若者を中心に社会に蔓延しているとも指摘される昨今、物質消費に走らせ、富裕層や権力者に近づくような世の中からの転換が求められています。
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