敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【中国式送迎】VOL.2


●バイクの後ろでも寸暇を惜しんでお勉強です

 日本では子供の下校時、正門前にお迎えの保護者で溢れかえるなどという光景はまずありません。基本的に治安のよいわが国では、登下校の道順や路上での注意事項を覚えさせ、子どもたちに歩かせることで自立の第一歩をさせるというふうに考えています。また、日本は人口密度に相応の校区があり、登下校にそれほど時間を要しませんし、集団登下校、通学路にある交差点では保護者が見守っています。スクールバスで送迎する学校すらあります。
 さらに、最近は不測の事態に備えて、警察・学校・保護者が連携を取って、「登下校班」児童の保護者同士が毎日メールで登校・帰宅時間などを連絡するシステムも構築されているそうです。仕事の関係で保護者不在の児童に対しては、登下校を見守る教師や自治会役員の姿も見かけるほどです。2010年にはGPS機能付きのシンプルな機能の備わった子ども用携帯電話が開発され、ボタンを押せば保護者や担任教諭に直接ダイヤル出来たり、110番通報も可能になったため保護者の安心が増しました。
 そこで、毎度お馴染みの新ビジネスの登場です。子供送迎ビジネスが盛況という報道があり、調べてみると「子供を危険から守るために、塾帰りの子供を家まで送り届ける」サービスだそうです。お金があればどんなサービスも受けることができますが、受験教育中心の教育概念では、肝心の道徳教育が欠けてしまうでしょうし、何よりも過保護は子どもを自主性、独立を阻害し、責任感や生きて行く上での精神的強さが育たないとしか思えません。
 将来、社会基盤をも揺るがしかねない「中国式」は、時間をかけて改善する必要があるでしょうし、今すぐ改善する必要のある「中国式」もあると思います。