敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【年画】VOL.2

 
●僕のコレクション・楊柳青年画

 年画で最も有名なのは天津の楊柳青年画(旧名・柳口鎮)で、現在の天津市西青区にあります。楊柳青年画を求めに天津の古文化街を歩くと、お店の天井や壁に所狭しと年画が飾られ売られています。楊柳青の特徴は、長い歴史から来る題材の多さ、繊細な線彫り、色彩の鮮やかさに加え、手彩色による特殊な技法が挙げられます。有名な童子や蓮の年画になると骨董的価値のあるものもあり、オークションなどで高価な価格で売買されるほどです。
 しかし最近では昔ながらの木版年画はめっきり少なくなり、ほとんどが写真を元にした印刷年画になってしまい、趣きがなくなってしまったのは残念な限りです。その他の年画の生産地と言いますと蘇州市・桃花塢、山東省・楊家塢、四川省・綿竹塢に加え武強(河北省)、鳳翔(陝西省)の5代拠点が挙げられます。
 中国の代表的な吉祥文字字典である『実用吉祥宝典』には、デフォルメされたさまざまな吉祥文字が約210文字掲載されております。代表的な文字は「福」、「寿」、「禄」が挙げられますが、「福」字には「百福図」、「寿」字には「百寿図」など一字だけで吉祥文字図を表す例もあります。
  また「福」の一字を逆さまにして貼ったものをご覧になられた方もいらっしゃると思います。多くの中国料理店や中国雑貨店で必ずと言ってもいいほど貼られているもので、「福到図」といいます。この意味は「到(いたる)」と「倒(たおれる)」の発音が同じことから「福が倒れる(逆さま)」=「福に至る」ともじっているわけです。福がやってきて「来福を願う」という気持は、日本の「福は家」と共通の意味合いがあるのかもしれませんね。
  本年も皆様にとって幸運な一年でありますようお祈り申し上げます。