敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【お中元】VOL.2

 贈り物にまつわるものには、有名な映画もあります。ジェームス・ディーンが好演した「エデンの東」、この映画は旧約聖書の「創世記」を題材としていました。捧げ物を廻り兄が弟を殺してしまうという話です。O・ヘンリー作「賢者の贈り物」では、貧しい夫婦がお互いのクリスマスプレゼントを通じて贈り物の価値以上に、お互いのことを思う気持ちが贈り物になったという短編小説でした。「トロイの木馬」も敗者から勝者への贈り物をするという話でした。
  さて、お品選びのポイントですが、お世話になった方へ感謝のしるしとして贈るわけですから、相手の年齢・性別・職業・趣味・家族構成などを考えて品物を選ぶ必要があります。例えば食料品・衣類などは当然夏向きの物を選びます。また相手先が日常生活でよく使う物が分っている場合、毎回同じ物を贈るというのも喜ばれるでしょう。
  会社の重役などお中元の多い方へは、冷蔵庫で保管しなければならないものは避けるべきです。そして送る時期ですが、普通関西地域は7月上旬〜8月15日まで、関東地域は6月下旬〜7月15日まで、それ以降は「暑中お見舞」とし、立秋(8月8日ごろ)を過ぎてしまうと「残暑お見舞」となります。
 日本には季節ごとの挨拶や、普段のお付き合いのなかにもご挨拶に手土産を持参するといった風習があります。小生も年々交際、社交の場や範囲が広がり、さらに交通手段が便利になるにつれ、お見舞や贈答の相手も増大してきました。もうすぐ百貨店などでは「お中元セール」が行われ、また毎日のようにダイレクトメールが届く日がやってきます。
  儀礼的だと言う方もいらっしゃいますが、心のこもった贈り物は人間関係の潤滑油にもなります。形式だけの習慣ではなく、人間としての気持ちを大切にしたいものですね。