敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【体育的秋天 芸術的秋天】VOL.1


●学校低学年が用いる中国・彩図成語詞典。(左)と
 少数民族の運動会

 今月は芸術の秋にちなんで、文化・スポーツの両面からお話したいと思います。歴史的に客をもてなすことが大好きな中国では、この時期はとくに各地でさまざまな文化・スポーツなどの娯楽活動が開催されます。
  文化行事に関しては、たとえば中国の伝統文化である芝居、京劇・越劇・川劇・豫劇・晋劇や、誰でも知っている中国雑技、伝統色の濃い音楽舞踊などがあげられるでしょう。56もの少数民族がそれぞれ持っている特色ある伝統芸能は、中国各地の民俗風習を十二分に表現していると言えるでしょう。
  スポーツ行事に関しては、中国における小学校の運動会の話をしたいと思います。中国の運動会は日本と同じように競走、走り高飛び、走り幅飛びなどがあります。児童は学年ごとに1,2年生組と3,4年生組、5,6年生組の3つの組に分けられます。
  それぞれの組で各種目を競技するのです。そして各組上位6位までの児童は授賞されるシステムになっています。 日本の運動会と大きく違うのは、中国の運動会では運動神経の発達した児童が、得意種目のクラス代表として競技に参加します。日本ではできるだけ平等に児童全員が運動会に参加しますので、この点が大きな違いといえると思います。
  つまり中国は個人的な能力を重視し、日本は団体的な意識の養成を目指しているといえるのではないでしょうか。 もう一つの違いは中国の運動会は、先生と児童のみの運動会ですが、日本では地域やPTA役員、それに両親、祖父母までも応援に来ることでしょう。小生も子供が小学生のときの運動会には、昼食のお弁当を子供と食べるのを楽しみに、ビデオカメラを片手に、もう片方にカメラを持って行き、一日中子供の姿を追いかけ回したものです。
  さて秋といえば「読書の秋」です。わが国では活字離れが叫ばれて久しいですが、お隣中国でも深刻な問題となっています。1995年に創刊された『中国図書商報』は中国の読書習慣の変化や書籍の出版・流通に関する情報を長年にわたって紹介している週刊専門新聞です。出版情報やベストセラー情報、書評や販売動向・ニーズなどの基礎データがそろっています。読書が減ったとか、つまらない出版物で満ちている、といった情けない現実をチェックするだけでなく、中国の読書習慣を改善したいという出版社や流通関連業者に対して出版戦略の指標ともなっています。
 次号では、日本に渡った中国の偉大な文豪が登場します。