敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【隠語と造語】VOL.1

 日本ではよくスタミナ切れ、バテたの時などに「油が切れた」などと表現します。中国では「加油(ジャーヨウ)」と言いますが、これはスポーツ選手などに応援を送るときに使う単語だったのですが、最近は男女が「今夜は頑張ろうネ」と言うときにも「加油、加油」と使われるようになりました。
  このように本来使われていた単語とは違う意味に用いられることを隠語といいます。ちなみにこの「油」という単語ですが、ガソリンが使われる前から「加油」という単語は存在していましたので、この油は動物性脂肪のことを指すのだと思われます。
  そのほかにも隠語についてお話しますと、不良少年たちが一対一で喧嘩するとき、よく「タイマンをはる」と言いますが、この単語、調べてみますと起原はなんと古代中国にまで遡ります。正しくは「対懣」と書き、「お互いが向かい合って憤りあう」といった意味になります。不良少年達は何とも難しい漢字を使っていたのですね。
  運動会や宴会などでよく「バンザイ(万歳)」と叫ばれることがありますが、この「万歳」も実は古く、中国「斉」の時代に天子の長寿を祈って使われた単語とされています。日本では「明治憲法」発令の時に、国民が発する言葉として考えられたのがこの「万歳」とされていますが、この時は「バンザイ」ではなく、「バンゼイ」だったそうです。よくテレビで放映される北朝鮮(平壌放送でしたか)の番組でも「金正日同志万歳!」の発音は「バンゼイ」ですよね。
  ほかにも「ヤッホー」はドイツ語の「Johoo」から、「アーメン」はヘブライ語の「まことに」から、ボーナスはラテン語の「Bonus」がその由来のようです。
  さらに脱線しますと、最近流行の「フリーマーケット」、直訳すれば、「自由市場」となりますが、実は「Free Market」は経済用語で、土日に自由に品物を持ち寄って売買するといったことは「Frea Market」です。英語ですから読みはどちらもフリーマーケットなのですが、その意味は大きく違ってくる例です。  
 次号では、その他の隠語と時代に応じて出来た造語についてお話したいと思います。