【喧嘩】
本年も残すところあと半月となりました。今回のメンテナンスで一か月分のコラムを2回連載しますと新年に跨ってしまうため、前号でお約束した中国の喧嘩について1回分のショートコラムとしてお話したいと思います。
中国で喧嘩といいますと、夫婦頂嘴(夫婦ゲンカ)。日本と大きく違うのは表に出て大声で喧嘩することです。どちらの言い分が正しいか、いろんな人に聞いてもらおうと言うわけです。その結果、少しでも見方に聴衆をつけたほうが勝ちです。
中国の男性はプライドが高いのですが、口ではなかなか奥さんに勝てません。もちろん切れた旦那が手を出したら刑務所行き。その反対はお咎めなしですが…。このような夫婦喧嘩の傑作を収めた清代・光緒元年(1880年)に出版された≪★(口編+喜)談録≫には、生々しい夫婦喧嘩を小話として紹介されています。
この間夫婦喧嘩について、何人かの中国の友人に取材をしました。そこで分かったのですが、「夫婦喧嘩はどちらが勝つか?」の問いに、ある年代より年配の方(地方性もあるかもしれません)は、「絶対に男性が勝つ!」でした。若い世代は面倒くさいことから逃れるためか、「女房が勝つ!」でした。
さて肝心の仲直りですが、女房が涙を流して謝罪すると、突然旦那が優しくなる。結局は男性側が一本取られている感じがいたします。またその日のうちにベッドで仲直り…と、意外にも引きずらないのが中国の夫婦喧嘩みたいです。
小生は訪中するたびに路上での喧嘩のシーンに遭遇します。交通事故であったり、入場制限での揉め事だったり、様々な喧嘩が繰り広げられていますが、彼らの凄いところは両手を後ろに回して、決して暴力で解決を図ることをしない喧嘩をするところです。お互いの鼻が引っつくくらい至近距離で、口角泡を飛ばしての口喧嘩は見応え充分!
一度見てみたいなんて考えているあなた、くれぐれもトバッチリにはご注意を。そしてよい新年をお迎えください。