敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【五月五号】VOL.2

 日本では最近見かけなくなりましたが、この日男の子のいる家庭では鯉のぼりを飾り、ちまきを食べる風習がありますが、鯉のぼりとともに飾られる吹き流しに使われている五色は、水・金・地・火・木を意味する非常に大切な意味があることはご存知でしょうか。表現されている五色には古来中国発祥の「五行説」に由来した、言うなれば魔除けの色としての祈願が込められているのです。
 五行説といいますと、現代人である私たちには縁遠いような気がしますが、春(1〜3月)は青色で東、夏(四〜六月)は赤色で南、土用・季節の終わりの一八日間は黄色で中央、秋(七〜九月)は白色で西、冬(10〜12月)は黒色で北、という具合に非常に大切な意味を持っています。また、鯉のぼりは父・母・子供を表しています。
 三匹の鯉のぼりは、安定した生命の供給、知恵・生育・反映といった平和な家庭を維持するのに不可欠な要素を表現し、そして子供たちの健やかな成長を見守る象徴としているのです。
 さて『中国教育報』によると、中国では60パーセント近くの子供の睡眠時間は八時間以下という調査結果が出たようですが、深刻なのは六時間より少ないと答えた子どもは実に21パーセントにも及ぶということです。育ち盛りの子どもの睡眠不足は精神上・発育上、健康に与える影響も大きく、重大な問題と言えるでしょう。また学習時間の増加は「毎日ほとんど遊ぶ時間がない」ことにもつながり、60パーセントの子どもが週末はほとんど家庭教師や塾などでの学習でつぶされ、「運動や家事などの時間はほぼゼロに近い。」と答えています。
 一方、子どもたちが「もっとも欲しい権利」は、29%が「遊ぶ権利」、19%が「自主的に本を読む権利」、21%が「眠る権利」ということです。日本でも中国でも学歴優先社会になり、当然の結果かもしれませんが、本末転倒にならないよう子どもの成長を願いたいものです。