【結婚式】VOL.2
●中国の引出物「喜糖」。
さて中国の一般的な結婚式はどのように執り行なわれるかご紹介したいと思います。面白いのはまず開式時刻で、たとえば開式11時28分などという設定がよくあります。「八」の発音は発財の「発」と同じであることから、ゲンを担いでいるわけです。招待客は受付で赤い紙の芳名録に記帳し、ご祝儀袋"紅包"を差し出します。それから壁に張り出された席順を確認して着座します。新郎新婦はそこだけテーブルクロスが違う色になった真ん中のテーブルに家族と一緒に座ります。中国では日本のいわゆる"結婚式"というのではなく披露宴だけを行ないます。
宴が始まると両家の代表挨拶、出席者の代表挨拶が、そして最近行われるようになったケーキカットや乾杯。そして司会者による新郎新婦への質問攻め、それから食事が始まります。
しばらくすると新郎新婦が各テーブルにあいさつ回りをし、小さなグラスに"喜酒(赤ワイン)"を入れて出席者に二杯づつ乾杯してもらうのです。その後はと言いますと、当然の如くあちらこちらで乾杯合戦が始まり、カラオケや飲食を楽しむわけです。日本でも結婚式にはつきものの引出物ですが、中国では帰り際に出口近くで飴の入った赤い袋"喜糖"をひとり二個づつ手渡します。
北京『中新網』によると、近年の生活水準の向上により結婚式にかける費用は年々多くなっているようです。また経済専門家が指摘するように90年代初めに結婚式請負会社ができて以来、中国の結婚式市場は年々拡大され、最近の結婚式ではリンカーンやベンツといった豪華車のレンタルも大人気で、スタイリストや司会者なども引っ張りだこだそうです。
ロマンチックで個性的な結婚式をしたい若者のために、結婚式を海底、空中、万里の長城、天安門、また森林、草原、教会、別荘でと、さまざまな企画を提案されています。海外で結婚式を挙げるプランもあり、おそらく旅行社とブライダル会社の協力体制が強固なものになったと言うことができるでしょう。
中国でも結婚記念日は大切な行事で、夫婦はお互いに贈り物をします。一般的に亭主は奥様にダイヤモンドなどを、奥様は亭主にベルト、ネクタイ、ハンカチなどを贈ります。出産記念には、生まれた子供が男の子だったら夫婦は同僚たちにタバコを、女の子だったら御飴を送ります。生後一ヶ月経つと、夫婦は親類と同僚にご馳走をし、そのお返しにお祝いの「紅包」を送ります。
お歳暮同様気持ちのこもった贈り物で「日頃の償いを…。」は、悲しい亭主の罪ほろぼしですかねえ。
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