敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【世界文化遺産】VOL.1


●世界遺産登録第1号、ご存知「万里の長城」

 世界遺産とは、1972年第17回ユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」に基づく「世界遺産リスト」に登録された世界中にある自然や文化のことを指します。
 その世界遺産は、「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」の三つに分類されます。2002年6月現在、世界遺産リストに登録された文化遺産は563件、自然遺産は144件、複合遺産は23件の総計730件が登録されていますが、そのうち28ヶ所は中国(世界第3位)にあります。
 これら世界遺産物件をもつ国は125カ国にも及んでいます。世界遺産条約の目的は全地球人が世界中のすばらしい自然や文化を、国や民族の区別なく守っていこうとすることです。現在地球上にある自然や文化のなかには、絶滅や崩壊の危機に晒されてものがありますが、世界中の人々が協力してそれらを守っていくためにこの条約は作られました。
 しかし世界遺産はただ単に自然や文化財保護を目的としているわけではなく、国際間の相互理解や交流を深める使命をも持っています。世界遺産登録されたものを知ることで、その国の文化や歴史、産業やテクノロジー、自然やそこで息づく人びとの姿まで理解できるというコトですね。
 つまり世界遺産はお互いの国を知るためのものでもあるわけです。また世界遺産として登録された自然や文化の保全・修復を参考にし、自国にある多くのものをも大切にすることも出来るわけです。
 日本も1992年に125番目の締結国としてユネスコに加盟しましたが、中国はユネスコ発足当時からの加盟国です。ユネスコ執行委員の任期は4年で再選が可能ですが、2年ごとに半数が改選されます。 これまで中国は執行委員を連続再選されています。
 国連において中国が国家としての地位を合法的に回復したことでユネスコも中国の加盟を承認し、そして国連からついに台湾の合法的地位が抹消されるという結果も生みました。ユネスコの世界遺産委員会は、毎年1回加盟国持ち回りで会議を開きますが、中国では2002年6月に江蘇省蘇州市にて、第27回世界遺産大会が開催されました。
 次号では、中国の世界遺産登録の失敗例をご紹介します。