【世界文化遺産】VOL.2
●最新世界遺産登録28号「雲岡石窟」。
さて中国の世界遺産登録運動の失敗例としては、1987年天津市北部・薊県中上元古界地質剖面の国家重点自然保護区が登録不可、1990年湖北省東南部・緑山、1987年および1990年(再)、四川省・ジャイアントパンダ生息地(臥龍、王朗、唐家河の自然保護区)、1994年ウルムチ南東・交河古城が審議延期、1992年雲南省省都昆明南東・路南石林、樹瀑布の自然景観および歴史地区、貴州省西部・黄果樹瀑布の自然景観および歴史地区が申請辞退といった例があります。
世界遺産に登録申請するためには周辺環境の整備など一定の基準をクリアーする必要があることから、国家レベルで取り組まないことにはなかなか承認を受けることができないようです。北京市は今年から「明の十三陵」のうち、最も破損が深刻な7つの皇帝陵墓の修復を行うようです。十三陵は北京昌平区天寿山の麓40平方キロメートルの小さな盆地に位置する明代の帝王の陵墓で、現在観光客が見学できるのは定陵、長陵、昭陵に限られています。筆者も8年前に唯一地下宮殿のある定陵の参観をしましたが、その規模の大きさに驚嘆しました。修復は一陵墓につき約2年、4千万元(約6億円)もの巨額が投じられるようです。発表によると2007年までにすべての修復を終えるようですが、修復後も一般公開は行わないとしており観光客の期待を裏切っています。
日本は不景気による経済の低下、世界を見渡せばイラク戦争にSARS、北朝鮮問題と暗いニュースばかりが目立ちますが、世界中の人が素晴らしい遺産を通じて本当に大切なものに気付いて欲しいものです。
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