敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【非典(重症急性呼吸器症候群SARS)】VOl.2

 
●(右)マスクに落書きが大流行と、医療現場で働く重装備の医師

 航空業界は大打撃を受けた例として、「中国国際航空公司はSARSの影響により、搭乗率が通常より国際便で約3割、国内便で約5割にまで落ち込んだ。」と発表しています。また旅行業界も同様で、非常手段として「肺炎を避ける」意味の「避炎ツアー」なる格安ツアーも企画されましたが、旅行客が7割減にまで落ち込んでいます。
 この先これら関連業界は従業員のリストラ、さらには企業倒産へとつながっていく、いわば経済恐慌のような状況になると予想されています。
 広東省に拠点のある日本の家電メーカー約150社は工場や事業所を閉鎖するところもかなり出てきていますし、広州ホンダは稼働率が大幅に低下したと発表しています。このように現地企業停滞は当然のことながら本国へもその影響が及ぶため、おそらく今後資本や人材の中国進出も急速に低下して行く可能性があると思われます。
 感染を拡げた原因として、トイレをきれいに使わない、道端でタンや唾を吐く、毎日風呂に入らない、大皿の料理を複数の人間が取り箸を使わずに食べるという中国独自の悪しき(?)習慣も指摘されています。
 しかし暗いばかりではいけないとばかりに、南昌市内では、ボディーアートの発表会が行われ、「ハクビシンを食べるな」と体にペイントされたモデルがアピールするイベントが開催されたり、上海ではマスクペインティングのオークションが開催され、売上額が医療最前線で賢明に働く医療関係者に寄付されるなど、民間レベルでの協力も出てきています。
 一日も早い、SARS壊滅を願いたいものです。