敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【報到(新学期の挨拶)】VOL.2

 もともと中国では人口に対する大学の数が少ないことから、大学に入ることは至難のワザな訳です。都会に住んでいてその都市の大学に入ることすら難関なのですが、農村部の若者にとっては学力が相当あったとしても経済的な理由から、「入試に合格しても実家の農業が不作だと農民にならざるを得ない。」という人が少なくありません。そのため、農村部から来た学生は一般的に非常に熱心に学習する傾向が強いようです。
 中国の大学の学費は、以前は芸術系大学だと年間5,000元(約75,000円)、それ以外の大学だと3,000〜4,000元だったようですが、最近は一万元以上もの学費を納めなくてはならない大学も出てきており、学費相場の増加は中国の物価水準から考えるとかなりの負担になっているようです。中国の学生はとにかく勉強に忙しく、日本の学生と違ってアルバイトをする余裕がありません。
 しいて言うならば、夏休みはアルバイトをする絶好の機会ですが、ファーストフードでアルバイトをしている学生の時給は、平均4〜5元(50円〜80円)といった相場ですから、どうしても親の仕送りに頼らざるを得ず、両親の負担は計り知れません。
 中国の大学はほとんどが全寮制で、学生は質素な暮らしをしています。一部屋に4人や、多いところでは18人もの学生が共同生活しています。そのせいかプライバシーという概念が少なく、「仲間意識」的社会主義生活が身につくようです。
 しかし以前「人民日報」で驚くべきニュースを見ました。大学外に部屋を借り、派遣会社に家政婦を依頼したという北京市内の医大生Tさんの記事です。派遣会社の発表によると、大学生が希望する家政婦の年齢は、17〜8歳と年齢が近く共通の話題を持てることが理想と公表しています。家政婦の条件としては、一番人気は四川省出身の若い家政婦が費用的に安いことから、中卒者で月額400元(約6,000円)住み込みというケースが多いようです。
 日本の大学生の学業に対する意識向上を願ってやみません。