敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【中秋節】VOL.2


●十五夜のお月様。 

 団子を供えるのは、中国でお祝い事の日にまんじゅうが作られ、お月見の日には月餅(げっぺい)が供えられることに由来すると言われます。日本では旧暦でその年の月の数に合わせて一二個、あるいは一三個供えるようにしています。
 さて今月九日は重陽の節句です。重陽節に関しては以前もお話しましたが、別名「菊の節句」と呼ばれているように、お酒に菊を入れて飲んだり、菊の香りの移った綿の枕を作ると長生きするなどの言い伝えもあります。菊の香りを移した菊酒を飲むことで邪気を払うといった風習がありました。中国では菊酒を飲んだ少年が800歳以上も生き続けたという伝説もあります。
 菊と言えば日本では菊の家紋が明治2年に禁止されてからは皇室のみの紋章となるなど、まさに日本を代表する花の一つです。平安時代から宮中で使われ始め、江戸時代までは一般庶民でも菊紋を使っていました。もともと菊は日本にあった花ではなく奈良時代に薬用として中国から伝わりました。日本で菊を食材にするようになったのは室町時代とされています。
 ところでどうして旧暦八月の満月だけを「お月見」するのか皆さんご存知ですか? 民俗関係の書籍には、秋は澄んだ空気のお陰で満月が最も明るく美しく見えることから仲秋(八月)の満月が選ばれたと書かれています。しかし実際に月を見てみると、仲秋の月だけが特別明るく美しいとは思えません。実は中秋の名月はほぼ真東から昇って来るのです。太陽も春分と秋分は真東から、つまり正面から昇るからこそ貴ばれ、そして満月も真東から昇る旧暦8月の満月が貴ばれたのではないでしょうか。
 発展著しい中国の都会部では、大きなビルが立ち並びせっかくの名月を見ることができる場所も少なくなってきました。今年の名月は宮廷風の宴会にしますか。それとも伝統的なお供え物をして、月を見た後で供え物を頂きましょうか。