【元宵節】VOL.1
●元宵節での提灯祭の模様
中国は悠久の歴史をもつ多民族の国であることから、伝統的な風習や祭りが多くあります。今まで中国七大伝統祭日のなかから春節、重陽節、中秋節、端午節などを紹介しました。今号でご紹介する「元宵節」は「上元節」とも「灯節」ともいい、春節(旧正月)のなかでも重要な一大イベントで、時期的には旧暦のお正月から15日目を上元とし、この日の夜を「元宵」と言っています。
元宵節の起源には諸説(戦国時代説など)があり定かではありませんが、漢代(紀元前206年〜紀元220年)にまで遡るといわれています。漢代以前は生殖祈願(子孫繁栄を祈る)のために、星神という神様を祭る宗教的要素の強い祭事でしたが、時代を経て、また他の地方の風俗習慣などが融合してからは娯楽的要素の強い祭事になったといわれています。現在の元宵節では、夜空のもと提灯飾りやイベントの開催がメインとなっていて、寺廟や街の広場などではカラフルで鮮やかな提灯が飾られ、民族舞踊などのイベントが行われています。
元宵節の前日から、大人は針金をフレームにし、それを白い薄紙で覆い、中に燭を立て、車輪を取りつけたウサギの提灯を作ります。薄暗くなったら子供達がそのウサギ提灯を引いて遊ぶので、道路には点々と動く提灯が見えます。上海にある観光地「豫園」と「豫園商場」周辺では、普通の赤提灯だけでなく、人間や動物などいろいろな形の提灯が元宵節の前日から飾られます。最近では回転する提灯や、なぞなぞが書いてあり、人に答えを当てさせるような提灯もあります。夜になると一斉に電気がつき、見物客が提灯を見て解答を当てっこするのです。
以前は爆竹を鳴らしたりして夜を過ごすのが庶民のささやかな楽しみだったようです。次号では、元宵節の習慣と、昨今の元宵節離れについてお話したいと思います。
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