敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【清明節】VOL.2


●国宝『清明上河図』、多くの画家たちが臨★(暮の下の「日」を「手」に)の手本としました。

 さて清明節といえば先に上海博物館で開催された「中国国宝展」で展観された、中国美術史上もっともすぐれた大絵巻物『清明上河図』に触れざるを得ません。このたった一巻の巻物を見るために全世界の人々が上海博物館に集結し、連日3時間以上の行列をも苦にせず、といった状態でした。
 筆者もこの国宝を見ようと朝早くから上海博物館を訪れましたが、あの大行列に恐れをなし、肩越しから見るのみにとどまりました。北宋時代の画家・張択端の傑作『清明上河図』(現在北京故宮博物館所蔵)は、北宋の都・?京(べんけい:今の開封)における民間人の社会生活の様子を生き生きと描き出していて、見る者をまるで当時の江南(揚子江以南)の地にいるような感動を与えています。
 厳しい冬を乗り越え、ようやく訪れた春は「気候も暖かく、万物は成長し、野山の新緑も美しく、人々をワクワクさせ、野外に心を奪われないはずがない」、ということです。出不精の方も思い切って外出し、新鮮な空気を吸って、新たな息吹の発見があることでしょう。
 新学期、新入園を向かえるみなさん、また新社会人になられるみなさんや、人事異動によって新たなステージで働くみなさん、この春に大きく飛躍されるようお祈り申し上げます。