敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【黄金週(ゴールデンウィーク)】VOL.1


●いつも大変な観光客で賑わう上海豫園。今年も大変な賑わいでしょうか、、、。

 さあ皆さん、待ちに待ったゴールデンウィークがやって来ます。中国では「黄金週」と表記するのですが、中国の場合日本と違って黄金週が一年に3回もあるのです。まずご存知の春節(旧正月)は、旧暦の元旦・春節から一週間の連休。次に5月1日の労働節(メーデー)から始まる一週間が春の黄金週。そして10月10日の国慶節から始まる一週間が秋の黄金週です。連休の内容は法定休暇、振替休日、それに土日を加えるなどして七連休になるように調整しているのです。
 この黄金週は1999年の国慶節から始まったのですが、改革開放政策によって国民所得水準が高まった近年では、この大型連休を利用して観光旅行や里帰り、ショッピングを楽しむ人たちで、電車、飛行機、観光地はどこも大渋滞、大混雑になります。帰省ラッシュの影響で、出稼ぎ労働者が黄金週を利用して帰省したのはいいけれど、「帰りの切符が買えず駅で数日間野宿した。」などという気の毒な話もよく聞かれます。また最近では海外旅行も盛んになり、シンガポール・マレーシア・タイといったアジア圏からアメリカ・ヨーロッパなど20ヶ国以上に及ぶ国々への旅行が増えているようです。中国国家旅遊局の統計によると、海外観光者数はこの10年余りで約四倍近くに激増しているようです。
 このように観光と関連産業の発展を国が後押しすることは、当然のことながら内需拡大に大きな成果が表れます。実際にデフレ傾向の中国市場においても、観光、商業、通信、飲食、エンターテイメントなどの業界は、業績とともに多くの労働者の就業機会をも一気に増やしています。さらに消費者の消費意欲を喚起し、大きな経済効果をもたらしていることは、調査統計によっても明らかになっています。このような状況を背景に、暇日経済(休日経済)として国が多大な評価をし、2002年3月の全人代でも黄金週の一週間の休暇を9日間に延長すべきだとする休日拡大議論(連休9日制)が議論されるようになっています。