中国盗墓史稿(せせらぎ出版)
著者:岡島 政美
書評:近藤 茂
僕が中国語を学んでいた頃、同じ外国語学校に11歳年長の商社マンがいました。ベタベタの大阪弁のその彼はヤケに中国通で、中国各地のお墓を調査しているという、随分、変わった人だなというのが最初の印象でした。あれから20年以上経ちましたが、時々、連絡はくれていて、ついにお墓の調査結果を本にまとめるとお聞きしてから3年くらい経ったと思うのですが、14か月、8回の校正を経てついに刊行したので一冊、献本すると持参してくれました。ちょうど「書法漢學研究24号」の発送作業を終え、宅急便の集荷を待っていたタイミングで、大野先生もその内容に感心していました。
【著者紹介】
岡島 政美(おかじま まさみ)
1950年(昭和25年)、徳島生まれ。商社勤務のかたわら、90年代より訪中百数十回、あらかたの古墓を歴訪。退職後、あらためて関西大学アジア文化専修で学ぶ。
趣味は読書と中国考古学、陵墓遺跡関連の書籍収集。
【本書の紹介】
中国歴代王朝は威信をかけて膨大な財宝で埋め尽くした墓を築いてきましたが、常に墓泥棒の絶好の餌食となり、王墓の大半が盗掘され続けていました。著者がその中国盗墓史の現地調査を続けるなかで「そもそも『盗墓』という概念がおよそ日本人の想像を超えており、その動機や目的に至っては、もはや『文化』と称して十分差し支えないものであるとさえ思えた」そうです。(「あとがき」より)
その解明に情熱をかけた著者は、百数十回の訪中を重ね、あらかたの王朝古墓を歴訪、本書をまとめたのです。
【主な目次】
第1章 先秦両漢盗墓史
第1節 中国古代喪葬習俗と殷墟の破壊
第2節 春秋戦国至秦末盗墓史
第3節 前漢盗墓史
第4節 前漢末至後漢盗墓史
第5節 後漢末至三国盗墓史
第2章 魏晋南北朝盗墓史
第1節 魏晋南北朝盗墓史
第3章 隋唐五代十国盗墓史
第1節 隋代盗墓史
第2節 唐代盗墓史
第3節 五代十国盗墓史
第4章 宋金元代盗墓史
第1節 北宋、金盗墓史
第2節 金、南宋盗墓史
第3節 元代盗墓史
第5章 明清盗墓史
第1節 明代盗墓史
第2節 清代盗墓史
第6章 民国盗墓史
第7章 現代盗墓史
第1節 80年代―「金持ちになるには墓をあばくに如かず」
第2節 90年代―盗墓、猖獗す
第3節 21世紀―盗墓狂想曲鳴り止まず
第4節 第4次盗墓狂潮期―現代
おわりに
参考文献
A4判500頁 POD(プリント・オン・デマンド)
ISBN-10: 4884169085 価格 \4,018(本体\3,720)
KINDLE版
ISBN-13: 978-4884169084 価格 \2,812(本体\2,604)
発売日: 2019/1/11 |